6月分研修レポート

 

 皆様ご無沙汰しております。Yudaiです。

 ついにディーラーへ配属され、海外研修も本格化してきました。
 ディーラーに配属されて間もないので多くは書けませんが、学んだ内容を少しでも共有できたらと思っています。
 


 今回は以下の内容について書いていきます。
  • 近況
    1. 本社での研修
    2. ディーラーの雰囲気
  • オーストラリアの交通事情
    1. スピードハンプ(バンプ)について
    2. フリーウェイについて  
  • タイヤの重要性
    1. トレッド及びグルーブ残量の重要性
    2. トレッド及びグルーブ残量の簡易的な確認方法
    3. 空気圧の重要性
    4. 空気圧点検及び調整の方法
  • 終わりに


本社での研修について

 私たち3人は5月末日までオーストラリアホンダ本社に併設されているワークショップ(作業場)で研修を行っていました。ワークショップでは2人の先輩整備士に教えてもらいつつ整備し、自分なりに効率化を模索するというような毎日を送っていました。
 主な整備内容は
  • 納車前点検
  • 定期点検
  • リコール部品の交換
でした。
 一見すると単調でつまらない作業のように思われるかもしれませんが、それぞれを細分化し、より効率的かつ正確に行うかの試行錯誤は非常に面白いものでした。
 特に定期点検については、どのディーラーであっても多くの割合を占める作業内容であるため、その効率化や正確性の向上は整備士にとって必須となるものです。
 そのため、私たち3人はディーラーで働くまでの2か月間を本社併設のワークショップで過ごし、時間的な余裕のある中で試行錯誤を繰り返すことで、ディーラー勤務に向けて非常によい経験を積むことができたと断言できます。


ディーラーの雰囲気について

 私が勤務するディーラーはシドニーにあります。また、そのディーラーを経営する会社は他にメルセデス、トヨタ、フォードなど様々なディーラーを経営しているため、オーストラリアの中でも有名だといわれています。
 ホンダのディーラーとして見ると小規模ですが、施設全体で共有されている設備を含めると非常に充実した環境であると思います。
 効率化を図るための機器も同様に充実しており、水及び各種エンジンオイルはすべてセルフガソリンスタンドにあるような機器で供給されています。
 ディーラーの雰囲気は明るいうえに、整備士は皆フレンドリーで初日から快く歓迎してくれました。
 オーストラリアでは整備に関する国家資格が必要ではないため、日本と違い、16歳から整備士として働き始めているという方もいらっしゃいました。
 現在ディーラーに勤めている最年少の整備士は17歳と非常に若いのですが、作業も丁寧で十分に信頼されているようでしたので、まずは彼に追いつけるよう、整備だけでなく英語の能力も向上させていきたいと思います。


スピードハンプ(バンプ)について

 皆さんはスピードハンプをご存じでしょうか。日本ではあまり馴染みのない言葉ですが、オーストラリアでは日常的に目にするものであり、その存在を知らない人はいないと断言できるほどいたるところに設置されているものです。

 このスピードハンプにより、ドライバーは必然的に速度を落とすことになります。一見すると大した起伏ではないように思いますが、30km/hを超える速度で通過しようとするとかなりの衝撃を感じます。
スピードハンプ

 したがって住宅街の道路など、スピードを制限したい場所には非常に短い間隔で設置されています。
 写真のスピードハンプは敷地内に設置されているものですが、公道に設置されているスピードハンプは主に路面と一体になっており、起伏もさらに激しくなっています。
 また、公道において車がほぼ確実に速度を落とす場所であるため、多くの場合歩行者はその前後で道路を横断しようとします。
 そのため、スピードハンプ付近を通過する際には歩行者への注意が一層必要となりますが、それこそがスピードハンプに求められる性能だと考えると、非常によくできているなと感心します。


フリーウェイについて

 スピードハンプに続き、オーストラリアの交通事情として、日常的に利用する道路の一種としてフリーウェイが挙げられます。
 おおまかに特徴を挙げると以下のようになります。
  • 無料で利用できる
  • 高速道路として扱われる
  • 最高速度は60km/h - 120km/h
  • 主要な都市間をつないでいる
  • 日本でいう国道のようなもの
 上記のような特徴があるため、オーストラリアではフリーウェイを使うことが日常であり、それに伴い高速走行の割合も高くなっています。


トレッド残量の重要性について

 トレッドとは地面に接地する部分に設けられている、柔らかなゴムの部分をさす言葉です。
 このトレッドと呼ばれる部分には溝(グルーブ)が設けてあり、その溝の深さにより運転性能が大きく変化します。
 特に重要なのはトレッドの厚さ単体ではなく、トレッドに刻まれたグルーブの深さや形状です。
トレッド及びグルーブ

 グルーブが果たす役割は大きく分けて2つあります
    1. 排水性能の向上
    2. 放熱性能の向上
 特に重要である排水性能の向上について説明していきます。

 言うまでもありませんが、排水性能の良し悪しが車の運転性能に最も影響を与えるのは、路面が濡れている状況での車両性能です。特に水たまりができるほどの路面であった場合はその差が顕著に表れます。

 ここからは少したとえ話を交えて話をしていきます。
 雨で濡れた路面を歩いているときに足元が滑り転んでしまう経験をされた方は多いのではないでしょうか。足元が滑ってしまう原因は一つではありませんが、特に注意しなくてはならないのが、靴底が接地していない、すなわち地面と靴底の間に水の層ができ、靴底が水の上に浮いてしまうことで、本来地面との接地で得られる摩擦がゼロに近くなってしまう状況です。
 これに関してはスマホの保護フィルムなどを想像していただいてもよいのかもしれません。
 仮にフィルムと画面の間に水を一滴垂らしたとして、フィルムの淵に近い水は簡単に取り除くことができ、フィルムと画面が直接接触する部分も多く作れます。一方で、中心部の水を取り除くのは容易ではなく、フィルムと画面が直接接触する部分は非常に少なくなっていしまいます。これに近いことがタイヤや靴底でも起こっているのです。
 これらの観点から、保護フィルムの下に残った水の部分では摩擦が少なくなっているということができます。したがって、このような状況を避けるためにタイヤや靴底には溝が彫られ、接地すべき箇所から容易に水を排出するための通路が設けられているのです。

 タイヤのトレッド残量は1.6㎜が限度と法律で定められています。これを下回るようだとウェット路面での制動力などが非常に悪化し、事故を誘発すると考えられているからです。
 一方で、タイヤメーカーは独自に交換の目安を定めており、それによると3㎜から4㎜を下回った時点での交換が望ましいとされています。
 法律的に問題がない場合でも、安全性の観点からみると早めの交換が求められることは間違いありません。
 雨天の高速道路を走行する場合などはタイヤを事前に点検し、トレッドの残量が少ない場合は通常よりも更に余裕のある運転を心がけてください。

 以下に残量を比較するための画像を添付してありますので、その性能差を想像していただけると幸いです。


新品のトレッド及びグルーブ
摩耗限度のトレッド及びグルーブ



タイヤのトレッド及びグルーブ残量の簡易的な確認方法

  1. 赤丸で囲ってある三角形を見つける
  2. タイヤの外周面に向かっている頂点の指す方向に目を向ける
  3. グルーブの中に小さな隆起(1.6㎜)があることを確認する
  4. トレッドがその隆起よりも高い(グルーブがその隆起よりも深い)ことを確認する
※トレッドが摩耗し、その隆起と同じ高さに(上記画像:摩耗限度のトレッド及びタイヤのように) なっていた場合、トレッド及びグルーブの残量が1.6㎜以下であるということなので、安全性能を担保するためにタイヤを交換しなくてはなりません(法律で義務付けられています)。

 

空気圧調整の重要性

 タイヤに関して重要な点検項目の一つに空気圧が挙げられます。
 空気圧の点検及び調整はさして難しくなく、乗り心地や運動性能に大きな影響を与えますが、軽視されがちであるように思います。
 ホンダとしては、一か月に一回の点検を推奨していますが、それを順守されている方は一割に満たないのではないでしょうか。
 空気圧の過少は
  • 燃費の悪化
  • バーストの危険性増加
を引き起こします。
 一方で空気圧の過多は
  • ブレーキ性能の悪化
  • コーナリング性能の悪化
  • 乗り心地の悪化
を引き起こします。
 すなわち、空気圧の異常に気付くのは
  • 運動性能の悪化時
  • 燃費性能の悪化時
  • 乗り心地の悪化時
  • バースト直前/直後
のいずれかであるといえます。
 タイヤは自動車において唯一接地している部品であり、加速、減速、旋回などの性能の要となるものです。
 特にバースト及びブレーキ性能の悪化に関しては重大な事故につながりやすいため、毎月とはいかずとも定期的に点検されることをお勧めします。


空気圧の点検及び調整 

 ここではセルフ式のガソリンスタンド等にあるエアインフレーターの使用を想定して書いていきます。
 フルサービスのガソリンスタンドで空気圧を点検、調整する場合は手順1.のみで十分です。


  1. 既定の空気圧を確認する
  • ホンダ車の場合、運転席側のセンターピラー(運転席と後部座席を隔てる位置にある柱)にステッカーがある場合がほとんどです
  1. バルブキャップを取り外す
  2. エアゲージのノズル先端部をバルブにしっかりと押し当てる
  3. 規定の空気圧になるまで空気を入れる
  • 規定の空気圧を超過した場合は空気を抜き調整してください
  • 空気を抜きすぎた場合は手順3.からやり直してください
  4.エアゲージのノズル先端部をバルブから取り外す
  5.バルブキャップを取り付ける


終わりに

 基本的な点検方法や調整方法についても書きましたが、取り扱い説明書などをよく読み、実際にメーカーが指定する方法を順守するよう心がけてください。
 
 冗長になってしまうため、タイヤの重要性についての説明をいくつか割愛させていただきましたが、タイヤについて詳しく調べてみたいという方は下記の
  • https://tyre.dunlop.co.jp/tyre/products/dictionary/
ダンロップ様が提供されているウェブページをご覧になることをお勧めします。

 梅雨寒の季節柄、風邪などを召されないようお気をつけください。

 来月も皆様のご来訪をお待ちしております。


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